ポロリ、ポロリと死んでゆく。 みんな別れてしまふのだ。 呼んだつて、帰らない。 なにしろ、此の世とあの世とだから叶はない。
今夜にして、俺はやつとこ覚るのだ、 白々しい自分であつたこと。 そしてもう、むやみやたらにやりきれぬ (あの世からでも、僕から奪へるものでもあつたら奪つてくれ。
それにしてもが過ぐる日は、なんと浮はついてゐたことだ。 あますなきみじめな気持である時も 随分いい気でゐたもんだ。 (おまへの訃報に遇ふまでを、浮かれてゐたとはどうもはや。)